東北大学大学院環境科学研究科とDOWAホールディングス株式会社は、2013年1月9日、カーボンナノチューブを応用した、低消費電力発光デバイスの共同開発に成功したことを公表した。
今回、開発に成功した同デバイスの発光メカニズムは、冷陰極として使用した「カーボンナノチューブ」から放出された電子が、陽極の電子線励起蛍光体を発光させる方式で、発光デバイスの材料に「カーボンナノチューブ」を本格的に使用した初めての試みとなる。
「スポットライト」だけでない照明の「焦点」の可能性
今回の成功により、少ない電力で長時間、安定して高い輝度効率で発光する“省エネ照明デバイス”が実現可能となり、また、発光面をフラットな面形状にできることから、将来的には点光源であるLEDなどとは異なる「大面積平面照明デバイス」用途への展開を図ることにより、“平面照明器具”としての商品化が期待できるようだ。
今後、両者は、同デバイスの実用化に向けた技術開発を実施していく予定で、今回の平面発光デバイスの研究成果は、2013年1月16日から東京ビッグサイトにて開催される『ライティングジャパン2013』の次世代照明技術展にて、展示・発表される。
ちなみに、2012年末には、イスラエルの企業であるOree社が、『LightCell Plus』という製品名で、LEDベースの平面型照明器具を発表している。平面型照明器具は、発光面が平面・均一である点が特徴で、蛍光灯に取って代わるともいわれている。また、器具の製造に必要な材料が以前と比べ少なく、環境面での効果も期待されているそうだ。
邪魔にならない照明ともいえそうな「平面照明」。実用化が視野に入ったことで、これまで見たことのないようなフォルムの照明の登場もあり得る。「あかり」の技術革新が、社会の明るさにつながればよいのだが。
東北大学DOWAホールディングス株式会社リリース
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