日本電信電話株式会社(以下、NTT)は、2013年1月24日、国立大学法人大阪大学(以下、大阪大学)、国立大学法人電気通信大学(以下、電気通信大学)と共同で、「ゆらぎアルゴリズム」を仮想ネットワークの制御へ適用することに、世界で初めて成功したことを発表している。
今回の成果は、大阪大学が「生体ゆらぎ」の情報システムへの応用に、NTTは「ネットワーク制御技術」、そして、電気通信大学は「通信プロトコル」といった、それぞれが強みを持つ研究分野・独自技術を融合することによるものともいわれており、この制御技術を用いることで、仮想ネットワークが環境の変化を「察知」し、状況に応じた適切な経路選択が可能となることから、急激なトラフィック量の増減や大規模な災害発生時においても、効率的なネットワーク復旧を実現できることが実証されたといえよう。
なお、独立行政法人情報通信研究機構(以下、NICT)が、2月5日から2月7日の期間に開催する「JGN-X広域」実験イベントにて、この制御技術を利用して、沖縄から北海道へ映像を配信し、疑似トラフィックで輻輳(ふくそう)を発生させ、輻輳状態からの回復について確認を行う予定とのこと。
今後は、同イベントでの輻輳解消実験から得られた知見などをふまえて、実運用に必要な機能拡充や多様な条件での技術の実証を行っていく予定となっており、2020年の実用化を目指して研究開発を進めていくという。
全体をみれば大きな変化はないが、何かちょっと違う。昔から第六感とも呼ばれる、そんな生体が持つゆらぎの感覚を、デジタル化のすすむネットワークへ応用する今回の取り組みは、小動物が地震の前には姿を見せなくなる現象に相通ずるものがあるのではないだろうか。人とコンピューターの適材適所が図られることで、変動の幅が大きくなりつつある自然と折り合えるようになるのかもしれない。
日本電信電話株式会社リリース
[PR]