ローム株式会社は、電気自動車(EV)やハイブリッドカー(HEV)用のインバータ向けゲートドライバ『BM6103FV-C』を開発したことを発表した。
同製品は、同社独自の“BiCDMOS”技術と、新規開発の“オンチップ”技術の融合により、絶縁素子を内蔵したゲートドライバとしては、業界最小の小型パッケージとなっており、同製品を用いることで、インバータ回路の大幅な小型化が実現できると期待されている。
生産拠点は、タイで、2012年6月から、サンプル出荷を開始、2012年9月からは、当面月産1万個の規模で量産を開始する予定となっている。
EVのモーター駆動には、バッテリから送られる直流電流をインバータで三相交流に変換したものが使われている。このインバータ回路を、従来のシリコン半導体のパワーデバイスから、シリコンカーバイド(SiC)に置き換えることで、高耐圧・高温下での高速動作が可能となり、インバータ自体の冷却機能が不要となり、モジュール全体の小型化が可能になるとみられてきたが、今回の製品には、そのSiCも一部採用されており、ある意味、“理想が現実に”なったともいえよう。
ガソリンから電気に、自動車の動力エネルギーが移行するにしても、そのエネルギーを効率よく駆動させるために欠かせないのが、ガソリン車でいえば、スロットルや燃料噴射装置にあたる“インバータ”なのだろう。燃料を電力とすることの最大のメリットは、CO2排出削減よりも、その供給元が多様化されることで、価格の安定が図られる点にあり、更なる技術発展を望みたいものだ。
ローム株式会社リリース
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