地球から20光年離れた恒星系に存在
人類にとって未知の世界である宇宙。宇宙には地球が属する“太陽系”の他にも多くの銀河系が存在し、その一つ一つに無数の星が存在している。ヒトが一生を費やしても調べきれないほどの星があるからには、
地球のように生物が存在する惑星が存在していてもおかしくない。そう信じる人々の想いが、今回新たな発見をもたらした。
2010年9月29日、アメリカのカリフォルニア大学サンタクルーズ校(University of California, Santa Cruz)とカーネギー研究所(Carnegie Institution)の天文学者チームによって「
生命が存在する可能性のある惑星」が発見された。地球から20光年の距離にある小さな恒星「グリーゼ581(Gliese 581)」の周りを公転するこの惑星は、「グリーゼ581g(Gliese 581g)」と名付けられた。
水と大気が存在する可能性
生命が生まれる条件として大気の存在と水の存在が必要不可欠となる。今回発見された惑星は恒星からの距離がほどよく、ほかの同恒星系にある惑星と異なり
水が液体の状態で存在する可能性が高いとみられている。また惑星の質量は地球の3~4倍、その重力は地球と同等以上はあるとみられ、
大気を保持する条件も揃っていることになる。この点で、この惑星は地球に最も近い環境であるといえよう。
しかし、この惑星は重力の関係で同じ面を恒星に向けたまま公転するため、
片面は常に昼間で気温70度の灼熱地獄、その反対側は常に夜で零下30度の極寒地獄となり、われわれがよく目にする生物にとっては過酷な世界であることがわかっている。
とはいえ、150度の高温から絶対零度まで耐えうるクマムシのような微生物が地球上に存在している以上、そういった生命が生まれる可能性が皆無ともいい切れない。これからの新たな発見が期待される。
カリフォルニア大学サンタクルーズ校(英文)カーネギー研究所(英文)
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