米Apple社は、2011年6月6日開幕の「ワールドワイドデベロッパカンファレンス(世界開発者会議、以下、WWDC)」基調講演において、無料クラウドサービス『iCloud』を発表している。
同サービスは、「iPhone」、「iPad」、「iPod」や、「Mac」、「Windows」PC上のアプリケーションを違和感なく統合することで、ユーザのコンテンツを自動的に保存し、そこからユーザのすべてのデバイスに自動的にプッシュ配信するというもの。
この機能により、ユーザのすべてのデバイスが、「ケーブルなし」で自動的に同期をとることが可能となる。
また、「App Store」や「iBookstore」で購入したiOSアプリケーションや書籍が、それらの購入に使用したデバイス上だけでなく、ユーザのデバイスすべてにダウンロードできるようになる点や、サービスの利用開始時に提供される無料の5GBクラウドストレージには、Apple社より購入した音楽、アプリケーション、書籍、Photo Streamなどの保管に必要なスペースは含まれない点は、他社クラウドサービスに対する有利な点といえよう。
同サービスの正式なリリースは、今秋が予定されている。
そのデザイン性の高さゆえに、熱狂的なユーザーをもつApple社が、新しいクラウドサービスを提供することになるこのニュース。言うならば、「もうPCは、いらない」ともいえるアプローチは、PCを汎用機と捉えるか、高級品と捉えるかといった、欧米と日本とのPC観の違いによるものといえよう。すでに汎用品として扱っている韓国や台湾製品に押される日本のメーカーには、ある意味、耳の痛いムーブメントとなりそうだ。
Apple社日本法人リリース
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