NEDOの「希少金属代替材料開発プロジェクト」に取り組んでいる研究グループは、これまで粉末として単相を分離・生成することができなかった強磁性窒化鉄を合成する手法を、世界で初めて確立したことを発表した。
NEDOは、経済産業省のレアメタル確保戦略の一環として、代替材料開発を担っており、希少金属代替材料開発プロジェクトでは、2009年度から「Nd-Fe-B 系磁石を代替する新規永久磁石の研究 -鉄-窒素系化合物を活用した新規永久磁石材料の開発-」を委託事業として実施している。
強磁性窒化鉄とは、純鉄よりも高い飽和磁化のことで、大きな結晶磁気異方性を持っている。鉄と11at%の窒素のみから構成され、基本的にレアアース・レアメタルを含まない。現在最強の磁石とされるネオジム-鉄-ボロン磁石の性能を凌駕する可能性があるともいわれており、今回の成果により、レアアース(希土類)を使用しない磁石の実現に大きく近づくことになる。
ネオジム-鉄-ボロン磁石とは、レアアースであるネオジムを含む磁石のこと。ハイブリッド自動車や電気自動車、洗濯機やエアコンなどの家電製品などパワーが必要なモーターに使用されており、これにジスプロシウムが含まれるものがある。
レアアースレス磁石とは、レアアースを必要としないハード磁石のこと。
先端技術に必要といわれ、その確保を求められているレアアースを考える場合、その資源の利用がもたらす意味を開発者は見つめていたのだろうか。
NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)リリース
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