本田技研工業株式会社は、2013年3月21日、インドネシア・ジャカルタにある「Ulujami-Pondok Ranji高速道路」において、「渋滞抑制技術」に関する公道実験を、2012年9月から2013年2月にかけて実施し、一定の効果を確認したことを公表した。
渋滞抑制だけではない!燃費も2割向上
具体的には、「交通流(車が通行する流れ)」が滑らかになり、なおかつ、車両の平均速度が向上するため、渋滞の発生を遅らせることができる点や、燃費が20%以上向上した点などが、実験の効果として挙げられている。
また、同社では、今回の実験に際して、スマートフォン向けアプリの開発も行っている。このアプリは、画面に表示される“色”の変化で、該当車両が“周囲の車両と同調”した走行をしているか、ドライバーに気付かせるというもの。“色”の変化は、ドライバーの加速や減速を行うパターンをモニタリングした内容を、“周囲の車両と同調”しているか、アプリが判断するしくみになっているそうだ。
さらに、この技術を活用することで、今回のテーマである「渋滞の抑制」だけでなく、当該車両の安全性を向上させたり、周囲の車両にも余計な運転操作を強いる可能性が低下して、結果的に燃費を向上させる効果も期待できるとのこと。
二輪車への応用も視野に
今後、同社では、「音や振動で周囲と同調した走行」をサポートする機能の開発をすすめ、二輪車などへの応用を図り、“渋滞のない交通社会”の構築につながる取り組みを行ってゆくとのこと。
高速道路の場合、1キロメートルにつき、走行車が25台以上に増えた時点で、渋滞が発生し始めるとの意見もある。また、国土交通省によると、渋滞による経済的損失は、2007年時点で約10兆円ともいわれている。渋滞抑制が、経済的損失を抑えて、ひいては景気の回復につなげる。同調できないドライバーの教育など、「人」的要因のケアも含めて、まだまだ超えるハードルは少なくなさそうだ。
本田技研工業株式会社リリース
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