独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2013年2月25日、複数のトラックによる自動運転や隊列走行の成果を、茨城県つくば市にある産業技術総合研究所つくばセンターのテストコースで公開した。
同機構では、これまでにも、大型トラック3台で時速80キロメートル、車間15メートルでの隊列走行を公開しているが、今回は、実験車を4台に増やし、車間距離を15メートルから4メートルに縮め、より近距離での隊列走行を実現した。
これまでよりも、車間距離を短くして隊列走行することにより「空気抵抗の低減」と、走行台数を増加させることにより、現状の道路幅を拡張せずに「交通容量」を増大でき、円滑な交通の実現が期待されているようだ。
また、今回は、大型車と小型車を混在した状況でも、操舵制御と速度(車間)制御を行う、自動運転や隊列走行の実験にも成功している。このケースでは、通常時は、道路の白線を認識して、白線を基準としながら走行するが、分流や合流地点、降雪などの悪天候時など、白線を認識できない場合に前方の車を追従するといったコントロール走行が行われた。
なお、「エネルギーITS推進事業」全体(自動運転・隊列走行及びCO2排出量推計)に関する成果報告会が、2013年3月12日午前9時50分から午後5時の間に、東京国際交流館プラザ平成にて開催されるとのこと。
乗用車レベルでの「自動操舵システム」や「車間距離制御システム」については、すでに市販されている自動車にも「衝突回避機能」として搭載されつつあるが、より事故発生時の影響が大きいとみられるトラックサイズでの技術開発は、高齢化社会への配慮というよりも、渋滞解消やコスト削減といったビジネス色の強いものとなっているようだ。長距離走行に関しては、ドライバーの負担軽減につながるともいえそうだが、システムがどこまでの現実を想定できるかが実用化へのカギとなるのかもしれない。
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構リリース
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