全日本空輸株式会社(以下、ANA)とヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸)は、2012年8月16日、海外への渡航客向けに、「手ぶらサービス」を9月1日から開始することを発表している。
同サービスは、渡航客の自宅や勤め先などからヤマト運輸の「空港宅急便」で発送された手荷物について、直接、海外の到着空港の手荷物返却場(ターンテーブル)で引き取ることができるというもの。これにより、海外の到着空港まで、重い手荷物を持ち歩くことが不要となる。
利用料金は、空港宅急便運賃+310円。手ぶらサービス利用1個につき、100マイルが貯まる。
利用対象者は、成田・東京(羽田)・関西国際空港発のANA国際線への搭乗客。なお、米国航空当局の制限により、アメリカ路線(ホノルル含む)では同サービスが利用できないため、同路線を利用する場合には、出発空港まで手荷物を送る「空港宅急便」の利用が推奨されている。
サービスを利用する場合は、ANAの航空券を予約・購入した後、ANAのホームページを経由しての、ヤマト運輸の専用ホームページから利用申し込みをすることになる。なお、9月1日のサービス開始日に先立ち、予約開始日時は8月27日午前6時、集荷開始日は8月28日が、それぞれ予定されている。
また、「手ぶらサービス」を申し込みの上、ANAの「インターネットチェックイン」を利用した場合には、出発する空港での手続きが不要となり、空港に到着した後には、そのまま保安検査場に進むことができる。さらに、ヤマト運輸のセールスドライバーが、印字済みの送り状を“配達”してくれるため、利用客自身の記入が不要ともなる。
さらに、出発する空港でANAに引き渡しが完了した段階で、登録しておいたメールアドレスに「配達完了eメール」が配信される。また、出発する空港までの配送状況は、これまでどおり、ヤマト運輸のホームページ「荷物お問い合わせシステム」で確認が可能とのこと。
なお、ANAグループが、同様のサービスとして提供してきた「ANAスカイポーター」は、今回のサービス開始により、8月31日搭乗分をもって終了となる。
「餅屋は餅屋」とは言わないまでも、その仕事を専門としてきた企業同士が、特定業務に関して連携を図ることは、大いに望まれる取り組みといえるだろう。今後は、お互いの立場を尊重しながら、安定した収益を確保できるかどうかが試されるのではないだろうか。
全日本空輸株式会社ヤマト運輸株式会社リリース
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