小田急電鉄株式会社は、2013年1月30日、東京都と進めている『小田急小田原線連続立体交差事業および複々線化事業』において、上下線を同時に地下に切り替える工事を行うことを発表している。
今回の工事による切替区間は、小田急小田原線「代々木上原」から「梅ヶ丘」駅の間の上下線、約2.2キロメートル。なお、この区間の複々線化事業は、鉄道を立体化して踏切を廃止する東京都の連続立体交差事業と一体的に行われる。
工事は、3月23日金曜終電から翌土曜初電までの予定
工事は、2013年3月22日金曜日の終電後から、3月23日土曜日の初電までの時間帯に行われ、「東北沢」、「下北沢」、「世田谷代田」3駅が地下駅となる。ただ、やむを得ない事情により切替工事が実施できない場合は、3月23日土曜日の終電後に実施が延期となり、地下化についても3月24日日曜日の初電からと一日ずれることになる。また、終電時刻や初電時刻の変更、遅延が発生した場合の終電時刻繰り下げや、他社線との終電接続は行われない予定。
今回の工事で、駅が地下化されることにより、この区間にある9か所の踏切が全てなくなり、交通渋滞が解消される点や、上下線を各2本ずつ計4本の線路にする「複々線化」の実施により、朝のラッシュピーク時間帯に列車の増発が可能となり、混雑が緩和される点や、各駅停車と急行・準急が別々の線路を走るようになるため、ラッシュピーク時間帯の急行・準急や、各駅停車の所要時間が短縮できる点などは、利用者にとって大きなメリットになると期待されている。
駅構内のバリアフリー化は実現
今回の工事により、「東北沢」、「下北沢」、「世田谷代田」各駅の、改札の位置や動線(駅の利用者が移動する経路)が変更となる点には注意が必要だが、下北沢駅にエレベーターが新設されることで、小田急線全駅を係員の介助なく改札口からホームまで利用できるようになる、いわゆる「バリアフリー」化がすすむことも、顧客満足度向上に効果があるとみられる。
踏切で電車が通り過ぎるのを待つ光景は、「街の風景」として似つかわしいものにもみえるが、当事者にとってはストレス以外の何物でもなく、やがて過去の遺物となるのだろうか。利便性のほかに、景観という視点からみれば、「電線」もそのひとつ。「隠す」だけではなく「保守・点検」しやすい変更となるのなら、一挙両得ともいえそうだ。
小田急電鉄株式会社リリース
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