東京ガス株式会社(以下、東京ガス)、株式会社荏原製作所(以下、荏原製作所)、三浦工業株式会社(以下、三浦工業)は、工場内で発生する90℃程度の低温未利用温水を、加熱や殺菌などの生産工程に利用できる160℃程度の蒸気に変換する『スチームリンク(以下、本システム)』を開発したことを発表した。
今回の「未利用温水から蒸気に変換する」システムの開発は、国内で初めてとなり、荏原製作所および三浦工業は、2010年12月から同システムの受注を開始し、東京ガスは、供給エリア内における提案営業を行っていくとのこと。
同システムは、工場内で発生する90℃程度の未利用温水を独自の方法で、加熱や殺菌などの生産工程に幅広く利用できる160℃程度の蒸気への変換が可能となっており、従来よりも蒸気ボイラに使用するガスの消費量を抑えることができる。
例えば、約1,000kg/時(年間17.5TJ)の蒸気量を出力するケースでは、年間のCO2排出量を約24%(205t-CO2相当)削減し、年間のガス消費量を約10万m3N(4.1TJ)、ガス料金を約680万円節約されるといわれている。
従来から、90℃程度の温水は、冷却工程や燃焼廃ガスとの熱交換あるいは蒸気の凝縮など工場内の様々な生産工程から多く発生しており、これらの低温の温水は、工場内の生産工程に利用する熱としては温度が低いため利用用途が限られていて、未利用のまま廃棄・放熱されている温水は全国で年間33,000TJにも及ぶとされている。
水を温めるにも一定以上の熱量が必要で、その意味から考えるとエネルギー低消費時代の一手法として理解できるものであろう。サケやクジラなど魚の調理には捨てるところがないといわれているが、そこに実体がある以上、価値のないものはないことを証明してくれているようだ。
東京ガス株式会社株式会社荏原製作所三浦工業株式会社リリース
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