株式会社LIXILは、2013年4月2日、早稲田大学理工学術院、株式会社アーステクニカ、ポニー工業株式会社、阪和興業株式会社の1大学3社と共同で、アルミサッシの再利用を促進する『サッシtoサッシ』の技術を開発したことを発表している。
この技術は、住宅解体工事などで発生する、いわゆる“市中解体アルミサッシ”から不純物を取り除くことで、リサイクルを可能にするだけでなく、リサイクルする際の溶解時のエネルギー消費についても、大幅な削減を可能にするというもの。
不純物の完全除去にめど
ちなみに、一般的なアルミサッシには、主にJIS規格の6000系合金が利用されており、従来の方法で“市中解体アルミサッシ”を選別した場合、樹脂やゴム、木くずなど、不純物を取り除くことが不十分になりがちで、原料としての再利用が難しいことから、いったん溶解して、ダイカスト用原料として、自動車などでの用途にリサイクルされていた。
また、この工程で発生する“市中解体アルミサッシ”などを溶解する際のエネルギー量が、日本アルミニウム協会の試算によると、業界全体で1年間に、原油に換算すると47万2,000キロリットル発生するといわれているそうだ。
2005年度における日本の石油製品の年間消費量は、約2億8000万キロリットル。人口が、約1億2,800万人とすると、日本人1人当たりの石油消費量は、1日で6.0リットルといった計算になる。
なお、今後、同社では、今回開発した技術を、来年度中にも実用化する方向で、廃材の発生量や地域性、流通の社会性などを考慮して、プラントの規模や立地、流通などの検討に入ることになっている。
ケータイのレアアース同様、既存製品からの資源のねん出は、住宅も例外ではないということだろうか。不純物のみとなることで、ごみの全体量も減少することを考えれば、こういった「仕分け」は歓迎するべきなのだろう。
株式会社LIXILリリース
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