さくらインターネット株式会社とNTTデータ先端技術株式会社は、2013年1月22日、北海道にある「石狩データセンター」で実施している「HVDC(高電圧直流)給電システム」の実地検証環境に用いる非常用発電装置として、「燃料電池」を設置したことを発表した。
今回、採用された「燃料電池」は、株式会社サンコーシヤの水素燃料電池システム『altergy systems』で、発電の過程で二酸化炭素や排ガスを出さない「燃料電池」を用いた場合、従来の非常用電源と比較して、軽量で省スペースで済む点や、騒音・排ガスが抑えられる点などの理由から、“環境に優しい発電システム”が実現すると期待されている。
加えて、「燃料電池」を交流環境で利用する場合、電力の直流/交流変換時に、5%から10%程度の電力損失が発生するデメリットがあるといわれているが、今回の「HVDC給電システム」では、直流電源を直接利用することで、そういった変換による電力損失が発生せずに、効率的な環境を実現できるそうだ。ちなみに、「HVDC」は、「High Voltage Direct Current」の略で、高電圧の直流での給電方式のことを指す。
同社では、今回の評価検証を通じて、「HVDC給電システム」と「燃料電池」の親和性を検証して、“省エネルギー型データセンター”の実現を目指していくとのこと。
これまでも、同社では、2011年11月から、同データセンターにおいて、「HVDC」設備の試験や測定を実施した結果、91%の総合効率を計測しており、また、2012年5月には、「HVDC給電システム」と太陽光発電の親和性の検証なども実施してきた。積み重ねられた成果から、生まれるべくして生まれたのが、実用化への一歩となる今回の取り組みなのだろう。
24時間アクセスが日常ともいえるネットビジネス。データセンターの重要性は高まりこそすれ、決して低下することはないようだ。そういった機器の常時稼働が排出する“環境に優しくない”成分を削減する今回の取り組みは、その「地域」に融和する企業活動こそが、企業自体の活性化への一歩となるのかもしれない。
さくらインターネット株式会社リリース
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