YKK AP株式会社は、鉄筋コンクリート構造建築物(RC造)のサッシ施工時に、溶接を用いずに無火気で躯体に固定する「非溶接工法」を開発し、2011年1月20日から受注を開始している。
今回開発した「非溶接工法」とは、粘性のある高強度樹脂剤の硬化による接合方式を用いた、業界初の新工法のこと。
同工法は、ビル用サッシ施工で一般的となっている、アーク溶接での問題点を全面的に改善したもので、“無火気のため火災リスクゼロ”、“雨天時でも作業可能で工程管理が容易”な点、“建築工事会社のサッシ施工に関する資材削減に貢献”可能な点などが特長として挙げられている。
具体的には、RC躯体に先打ちする打込みアンカーとサッシ枠側部品との間に粘性のある高強度樹脂剤を注入し、硬化によって固定する。常温の場合、5分程度で硬化するため施工性に優れており、これまで必要だった埋込みアンカーや鉄筋材、電源が不要となるため、建築工事会社の負担を軽減する効果が見込まれている。
さらに、電力の使用や溶接時に発生する有害物質もなく、環境面での効果も期待されている。
同社では、2011年度の目標受注金額を、20億円(対応商品本体と取付工事費用)としている。
ちなみに、アーク溶接とは、金属材料(母材)と溶接棒との間にアークを発生させる溶接法のこと。鉄系材料の溶接に最もよく利用されている溶接法である。穴を開けてのボルト・ナットを使う工法よりも、簡単・迅速に行うことができる。
建築現場から聞こえる音も様変わりしているようだ。釘を打つ金槌は、甲高い電動音に代わり、すでに部品化された資材を組み立てるだけとなっている。安全とコストを秤にかけないよう、住まいだけはと望みたい。
YKK AP株式会社リリース
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