IBMは、2010年12月3日、電気デバイスおよび光学デバイスを同一のシリコン片の上で集積し、電気信号のかわりに光パルスを使用したコンピューター・チップ間の通信が可能となる新しい半導体技術を発表した。
これにより、従来の技術で作られたものより小型で高速、電力効率の高い信号伝送が実現する。
「CMOS集積シリコン・ナノフォトニクス」と呼ばれる新技術は、光学デバイスおよび機能をシリコン・チップ上に直接集積することでコンピューター・チップの通信方式を改善し、現行の製造方式によるものに比べ集積密度を10倍以上も向上させるというもの。
同社では、シリコン・ナノフォトニクスによりチップ間の速度およびパフォーマンスの大幅な向上を期待しており、1秒間に100京回の演算(エクサフロップ)を実行できるスーパーコンピューターの開発を目指す、エクサスケール・コンピューティング・プログラムの進展が図れると考えているとのこと。ちなみに、エクサスケール・スーパーコンピューターとは、現在の最速機の約1,000倍の速度で動作するというもの。
また、同技術は、標準的なCMOS製造ラインの前工程で製造でき、特別に新しい製造装置の必要もなく、この方式を使えば、シリコン・トランジスターはシリコン・ナノフォトニクス・デバイスと同じシリコン層の利用が可能となる。
さらに、標準的なCMOS製造のフローにプロセス・モジュールを追加することで、変調器、ゲルマニウム光検出器、超小型波長分割マルチプレクサーなどのシリコン・ナノフォトニクス部品を高性能のアナログおよびデジタル回路に集積できるようになり、その結果、高価な化合物半導体テクノロジーを利用する必要がなくなり、標準的なCMOS工場で製造が行うことが可能となる。
外国と日本の産業活動の比較において、良く言われるのが「研究開発」への姿勢。それは、何も突飛な絵空事ではなく、「いまあるもの」の「改善」からも生まれ得るものであろう。ほんの少し、視点を変えれば、見えてくるものもあるようだ。
日本アイ・ビー・エム株式会社リリース
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