ポーラ化成工業株式会社は、新たなメーク原料「擬似角層構造粉体」を開発したことを発表した。
同研究では、肌内部からの輝きを放つヒントを得るために、内部からの輝きを放つ真珠の構造に注目したとのこと。
真珠は、「真珠層」と呼ばれる、屈折率の異なる2つの層が交互に積み重なって、真珠の表面に光があたると、この積層構造が幾通りにも屈折させ、美しい輝きが生まれるつくりになっている。
同社では、まず、真珠と同じような積層構造を持つ人の角層(角層細胞と細胞間脂質)の構造の規則性が、肌の輝きに影響を与えているのではないか、と仮説を立てた。
次に、過去の研究からの知見をもとに、細胞規則性と肌内部からの輝きの官能評価を実施したところ、相関があることがわかった。
そのうえで、規則性の正しい角層を模倣した「擬似角層構造粉体」を開発し、ファンデーション等に使用することで、肌内部からの輝きを生み出そうと考え、今回の原料開発が成果を生むこととなった。
ちなみに、同粉体の構造は、光の屈折率の異なるポリエステルとナイロンを交互に積層し、更にそれをポリエステルで包んだもので、積層構造は人の角層とほぼ同じ21層に設計されている。
なお、この研究内容は、2010年9月20日から2010年9月23日に、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催される第26回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)世界大会において発表された。
場合によっては、数年を要してその輝きを増す真珠の美しさを利用しない手はない。自然が生み出すものは、肌と同様に複雑なものであることを再認識させられる。
ポーラ化成工業株式会社リリース
[PR]